朝日新聞出版から誰がJ-POPを救えるか?マスコミが語れない業界盛衰記
(Kindle版)という書籍が出版されている。
本書は実録風フィクション仕立てで日本の音楽業界の不振の原因と提言を語るというもの。
と言ってもまだ読み終えてなく、そもそもこの第3章つんくがJ-POPを殺したが気になり、Kindle版を購入したので、それについてのみ感想を書いてみようと思う。
つんくの変調(?)
架空の人物*1マツオカが2003年頃からつんくの楽曲のネーミングが変になったと指摘しているのだが、タイトルだけに着目して肝心な楽曲内容に関する言及はゼロ。
その後、秋元PとつんくPの違いに言及し、それがコンペ方式の大量発注システムにあると指摘し、その後のAKBグループのヒットに結び付けている。
そもそも何でこの章が設けられたのか判らない。
音楽プロデューサーの一例としてつんくを取り上げたのかもしれないが、それにしても章のタイトルと中身に違いが有りすぎる。
曲のタイトルが変という意味では、それは既にLOVEマシーンの頃から始まっていると言えるだろう。
見慣れてしまったから誰も何とも思わなくなっているが、LOVEマシーンはアイドルには相応しくないエロいものを連想させるとネーミングだと思う。
タイトルは内容を表すものであるからして、そういうタイトルにならざるをえないというのもある。
コンペ方式に関しては所謂良い曲を作るには良い方式かもしれないけど、無難で無個性な楽曲が出来上がりガチになると思う。
勿論それはプロデューサーの発注次第かもしれないけど、しかし音楽の事をよく分かっていないと、細かい指摘ができない。
微妙なチューニングに神が宿るということもあると思うのだ。
単純に言い換えると、職業作家とアーティストの違い、あるいは普遍性と個性の違いとも言えるかもしれない。
つんく氏の作る曲は確かに昔と比べると売れなくなった。
しかし、今でも10万枚を突破する曲もある。
昔の曲が極端に売れたから、その落差に囚われて、楽曲の価値を見落としているのではないか?
もちろん曲が大ヒットすることは良い事であるが、その為につんく氏が外野の意見を取り入れて普通のプロデューサーになってしまってはつまらない。
良くも悪くも彼の個性がモーニング娘。を含むハロー!プロジェクトを形作っていると思う。
- 作者: 麻生香太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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*1:モデルがいるとのこと